御洒落の気持ち

皆様、こんにちは。こんばんは。

約1週間ぶりのブログ更新でございます。

先日、1月11日に祖母が亡くなりました。94歳でした。

葬儀も終わり少しだけ落ち着く事が出来ましたので
そろそろ普通の生活に戻るべく
今日からブログの更新を再開したいと思います。

ですが、今日だけは祖母のお話にお付き合いくださいませ。
リューノガレージと少しだけ関連のあるお話です。

子供の頃から「おばあちゃん」と呼んでおりましたので
今日はおばあちゃんという呼び名で書き記されて頂きます。

おばあちゃんが体調を崩したのが約半年前、昨年の7月です。
僕が丁度ロードバイクを購入した頃です。

体調を崩したおばあちゃんに何かあっては大変だと
ロードバイクに乗る時間を1時間に限定して
自宅裏の堤防を往復するだけだったのですが
今となって思えば、早く帰宅すべくペースを上げたりして
良いトレーニングになっていたのかもしれません。

11月に宿泊型老人介護施設に入居して
体調がよろしく無いとの事で12月26日に病院に入院しました。

息を引き取る前日、僕はロードバイクに乗って病院にお見舞いに行きました。
翌日は仕事でしたし早めに帰宅したのですけど
こうなる事が判っていたのであれば
車で出向いて面会時間ギリギリまで一緒に居てあげれば良かったのかな…
と、少しだけ後悔しましたが
こればかりは何ともしようがございません。

でも、僕は何かを感じ取っていたのか?
介護施設に入る前日(11月に)
寝る直前におばあちゃんへ挨拶を済ませておきました。

それだけで僕の気持ちは少しだけ満足しております。

さて、今までの経過をご説明してもご迷惑かもしれませんので
ここからがおばあちゃんと僕のエピソードになります。

周りの方々も「100歳まで生きる」と思っていた元気だったおばあちゃんでした。
風邪は20年近くひきませんでしたし
90歳になっても自転車に乗っていたおばあちゃんでした。

近所を歩いて、庭の手入れ・畑仕事も昨年の夏まで続けており
写真を見直しても90歳を過ぎても背筋がピンとしており
自慢のおばあちゃんでしたし
おばあちゃんみたいに元気に歳を取りたいなぁ…と目標にもなっておりました。

僕がリューノガレージのホームページを始めたのが約10年前。
その頃から僕の服装も派手なアメカジに変化していったのですが
外出する前には心配させないように
「何処何処に行ってくる、何時頃かに帰ってくるよ」と毎回伝えておりました。

その時にたまにですけどおばあちゃんが
「ハイカラな服着ているね」と言ってくれる事が度々ございました。

その時に僕が何を着ていたのか?正確には覚えておりませんでしたが
スカジャンとかだったと思います。

まぁ、その時のおばあちゃんには
珍しい服に見えていたのだろうなぁ~と思っておりました。

そして、おばあちゃんが最後に僕の服を見て感想を言ってくれたのが
介護施設に入居していた時でした。

その時の僕の服装は「リアルマッコイズ A-2」を着ていました。

おばあちゃんは「良い服着ているね」と言ってくれました。
僕は「良い服着ているよ」と返事をしました。

革ジャンでしたし、おばあちゃんにもこの良さが解ったのかな~と嬉しくなりました。

その数日後、おばあちゃんが病院に搬送されたと知り
僕はひとりで家の中のおばあちゃんの服の整理を始めました。
僕の心の中でも覚悟を決めた時でした。

頻繁に着ていた服を片付けるときは涙が止まりませんでした。
この10年は僕が一番おばあちゃんと過ごした時間が長かったので
思い出がよみがえるのは辛かったです。

服を片付けるためにおばあちゃんのタンスを開いた時です。

普段は絶対に開ける事の無いおばあちゃんのタンスの中には
今まで僕が見た事が無かった、印象の無かった外出着が
沢山ハンガーに掛かって吊るされておりました。

生前、おばあちゃんは「派手な服は着ない」と言っていたのを思い出しましたが
ハンガーに掛かったジャケット類は
グレーやブラウン系の渋い色合いに
おばあちゃんが好きな花や植物の柄が入った服が多かったのです。

その時に僕は自分の考えが間違っていた事に気付きました。

おばあちゃんは僕の服を見て
御世辞で「ハイカラだね」「良い服着ているね」と言っていたのではなく
率直に感想を伝えていてくれたのだと。

もう着る事が無いであろう…おばあちゃんの服を片付けている最中で
悲しくてたまらなかった僕は
この瞬間、とても嬉しくなりました。

おばあちゃんもお洒落する事が好きだったのだと。
好きな色や柄の服を着て過ごしていたのだと。

大した知識も無く、自分の趣味だけでセール品や古着を買い漁っては
インターネットで紹介してきたのが
僕のホームページ「リューノガレージ」でした。

でも、僕が服が好きな気持ち、好きな服を着て楽しむ気持ちは
おばあちゃんと一緒で変わりなく
そういう楽しみを持ちながら歳をとっていけるなんて
素敵だったのだなぁ…と、この時初めて理解したのでした。

今までは元気で活発で行動的な点を尊敬しておりましたが
自分好みでお洒落な事にも気遣っていたおばあちゃんを
僕は改めて尊敬して、そして誇りに思えました。

何を着ているか?という事は見落としがちなのかもしれませんが
好みの服装で普通に生活している…というのは
普段の生活を楽しくさせてくれているのだと改めて実感致しました。

別に高級・高額な服で無くても良くて
好きな服を着る事が一番なのだと。

色々な思い出が沢山ございますが
本日は亡きおばあちゃんと服の話をお伝えさせて頂きました。

そして僕も今後は
今後出会う方々の姿を見てお洒落だと思った時には
素直に「カッコいい服ですね」とか「良い服ですね」と言える人間になりたいです。

その言葉に嘘偽りは無いのですから。 

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